これから内視鏡を始める医療従事者
内視鏡室で必要な知識が身につく本が知りたいな。
これから検査に治療に頑張りたいけど、どの本が一番わかりやすいんだろう
消化器内視鏡技師の資格取得にも向けて、今から勉強していきたい!
そんな疑問に答えます!
この記事の内容
- 内視鏡室業務への入門にオススメの本【2冊】
- 看護・介助を学ぶなら間違いなくこの本!【2冊】
- 機器・デバイスは、臨床工学技士に聞け!【1冊】
- 上部・下部消化管を更に理解したい!【2冊】
- ERCPに入るなら一度は読んで欲しい本【1冊】
現在内視鏡室でコメディカル部門のトップとして働いており、新人技師・看護師への教育や研修医への指導も行っています。
そんな教育の中で出会った、”自分が初心者だった頃に出会いたかった本”だけを厳選して紹介します。
では、【8冊】内視鏡室に入るコメディカルにおすすめな本【初心者から中級者まで】を紹介します。
内視鏡室初心者のコメディカルが読むべき本【5冊】
今回は、「入門」「看護・介助」「機器・デバイス」で選んでみました。
それぞれのスタート地点や今知りたいことが異なると思うので、適したものを読むと良いと思います。
ただ、この項の本はどれも最低限必要な知識がギュッと詰まっているので、最終的にはすべて読むことをオススメします。
内視鏡室業務への入門にオススメの本【2冊】
ナースのための やさしくわかる内視鏡検査・治療・ケア
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はじめての分野を勉強する際は、一番やさしい内容の本で大まかな流れを知ることが大事かな、と個人的には思っています。
内容としては、
- 検査/治療について
- それぞれの適応
- 看護のポイント
- 使用する物品/薬剤
- 内視鏡室で業務に当たる際に最低限必要な知識
が、記載されています。
特徴としては、優しい言葉で説明されている、イラストがたくさん載っていてスムーズに読み進めることができる などが挙げられます。
欠点としては、”導入向け”というだけあって、業務に入って少ししたらもう少し詳しい情報が欲しくなってきます。
病気がみえる 消化器
(2024/12/14 16:19:20時点 Amazon調べ-詳細)
”内視鏡の本”というわけでは無いのですが、やはり病態を正しく理解するというのはどの部門・職種においても重要なところです。
とはいえ、1からすべてを学ぶのは時間を要するので入門用の本で取得しちゃいましょう。
医療職なら、誰もが知っている”病気がわかる”シリーズです。
どの病院でも必ず置いてありますよね。特に病棟なんかでは間違いなくあります。
看護・介助を学ぶなら間違いなくこの本!【2冊】
大圃流 消化器内視鏡の介助・ケア
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この本は、天才内視鏡医師とも呼ばれる「大圃先生」率いる通称”大圃組”による医学書です。
”大圃組”には、医師の他に看護師・臨床工学技士も属しておりそれぞれが各部門のパイオニアとして活躍されています。
有名な医師はたくさんいますが、コメディカル含めてココまで活動しているのを私は知りません。
本の方に話を戻すと、内容は「ナースのための やさしくわかる内視鏡検査・治療・ケア」に加えて、イラストや写真と一緒に直接介助の実際の手技も詳しく載っているため、業務の振り返りにも活用できます。
さらに、”業務に役立つお役立ち内容”として小話が載っていたり”直接介助としての作法”のようなものも載っており他のコメディカルより一歩進んだ介助を学ぶことができます。
通常こういったことは、実際に業務に入ったり先輩の手技を盗むことでしか学べないことなので、それだけでもこの本の価値は大きいです。
腹部用手圧迫を用いた大腸内視鏡挿入法
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いろんな医学書を読んでも、なかなか出てこない”腹部圧迫”についての記載。
「S(状結腸)が伸びているから・・・」「トランス(横行結腸が・・・)」と、頭の中で理解できていても、いざ実際に押して見てもうまく補助できなかった経験ありませんか?
通常なら経験で取得したり、詳しい人に教えてもらったりする内容が、すべてまるっと入っているので、すぐさまスキルアップすることができます。
欠点としては、結構お値段がすること・・・汗
もうすこし、価格抑えられませんか?笑
機器・デバイスは、臨床工学技士に聞け!【1冊】
大圃組はやっている!! 消化器内視鏡の機器・器具・デバイスはこう使え!
(2024/12/14 21:48:36時点 Amazon調べ-詳細)
またまた登場しました。”大圃組”の本です。
消化器内視鏡の分野では、数多くの「機器・器具・デバイス」が検査に・治療に登場します。
それぞれ結構クセがあったり・・・この本では、基本操作から使いこなすためのコツ・裏技が写真・図解で紹介されているので取得への近道になると思います。
また、デバイス・カメラのミニスペック帳が付録でついてくるので、現場でサッと確認することができます。
個人的には、電気メスのあたりがオススメかな。特に看護師や生理検査技師、医師にもおすすめできます。
電メスの本って、ちゃんとした本読むと結構難しく書いてあって、余計こんがらがるんですよね。
この本なら、ついに理解できるかも?
余裕が出てきて更にスキルアップしたいコメディカルが読む本【3冊】
上部・下部消化管を更に理解したい!【2冊】
上部消化管内視鏡診断マル秘ノート
(2024/12/14 21:48:37時点 Amazon調べ-詳細)
内視鏡業務全般に慣れて知識も増えてくると、「今医師が何をしているのか」というのに目が行くと思います。
例えば、
”胃がん”であれば、「DL(ディマーケイションライン)」とか「MS/MVパターン(マイクロサーフェス/バスキュラーパターン)」とか
”食道”なら「B1/B2血管」とか「BA(ブラウニッシュエリア)」とか
こういったことがわかると、「今何をしていて、次に医師はなにをするか」というのが、わかってきます。
すると、直接介助者はアタリを着けて準備に入れ、それが当たれば医師の手を止めることなく検査を行えるようになります。
こうなってくると、もうあなたは”ベテラン直介者”になれるわけですね。
さらに、「モテる!?」ために必要な知識・手技も書かれているので参考にしてみると、あなたも「モテる!?」かもしれません。
合わせて読みたい
上部・下部消化管内視鏡診断マル秘ノート2: もっと伝えたい上部のウラ技,これだけは知ってほしい下部のキホン
前作で紹介しきれなかった”下部消化管”について記載された続編が、出版されました。
前作同様モテる内容ばかりなので是非合わせて読んでみてください。
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より上手く! より早く! 大圃流ESDセミナー
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またかよ!と思うかもしれませんが、”大圃組”の回し者じゃありませんので笑
繰り返し出てくるということは、それだけ内容が良いということです。
この本では、タイトル通り「ESD」についての内容が書かれています。
対象・手技・デバイスなどなどがイラスト・写真交えて書かれており、より実践的な内容になっています。
主に医師向けの内容ですが、直接介助者も知っていることで、経験の浅い医師とESDに入る際などに「先生、これはこっちのほうが良いんじゃないですか?」なんてコミニュケーション取れると、お互いに経験値がバク上がりします。
合わせて読みたい
”大圃組”からまた新しく本が出ました!今度は「大腸ESD」について。
ERCPに入るなら一度は読んで欲しい本【1冊】
胆膵内視鏡の診断・治療の基本手技 第3版
(2024/12/14 23:44:06時点 Amazon調べ-詳細)
普段の検査や治療とは、どこか肌色がちがう胆・膵領域の治療。
透視室でやるし、なんだか物々しい雰囲気の中やるからちょっと身構えちゃいますよね。
イメージとしては、心臓カテーテルのようなことをする検査・治療です。
この本は医師向けの本で、病態や看護はさほど載っておらず、薬やデバイス・操作についての記載がメインになっています。
ワイヤー1本からカニューレーションチューブ、ステントのことまで書いてある本は、今の所他に知りません。
胆・膵領域の直接介助もコメディカルが入る施設は、読んでおいて間違いがないです。
実際この本を参考にして、間違ったマニュアルの改定やデバイスの見直しをしたくらいです。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
いきなり8冊も出てきて、精神的にもお財布的にも心配になってしまったかもしれませんが、何も一気に覚える必要はありません。
一つ一つできるところから覚えていって、明日からの業務に役立ててください。
以上、【8冊】内視鏡室に入るコメディカルにおすすめな本【初心者から中級者まで】でした。