「内視鏡室で働くことになったけど、略語が多すぎてわからないよ・・・」
「全部”E”ばっかでややこしすぎる!!!」
という、悩めるコメディカルに向けです。
本記事では、「消化器内視鏡で使われる用語・略語【22語】」をまとめてみました。
この記事の内容
①:疾患の用語・略語がわかる
②:検査・処置の略語がわかる
実際に現場で働いている内視鏡技士が、よく使われる用語(特に横文字・略語)をまとめてみました!
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疾患
AGML:急性胃粘膜病変
Acute Gastric Mucosal Lesion
薬剤・アニサキスなど何らかの理由で胃粘膜に異常(出血など)を起こした状態
何らかの内視鏡的処置(止血・異物除去)を行うことが多い。
マロった:Mallory-Weiss症候群
「嘔吐などによりEGJに裂創ができ出血する疾患」が発症したことを指す。
大量飲酒後など嘔吐による過圧が原因となる。
また、上部消化管内視鏡の嘔吐反射でも発生することがある(医原性)。
深い裂創ができた場合は、止血処置(クリップ止血)が行われる。
GERD:胃食道逆流症
Gastoroesophageal Reflux disease
一般名称では、「逆流性食道炎」のことです。
何らかの原因で逆流してきた胃液(胃酸)によって、食道粘膜が傷害され起こる。
内視鏡的な所見がない場合は、「NERD」が疑われます。
胃全摘をした術後胃でも、小腸の消化液によって同様のことが起こる。
ハイパー: hyper plastic polyp
過形成性(hyper)ポリープの事を指す。(→低形成:hypo)
発生する部分によってその特徴が異なる。
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検査
GF/GIF/GS/GFS/EGDS:上部内視鏡検査
Gastric Fiber
「上部内視鏡検査」のことです。
時代や医師によって様々な呼び名がありますが、どれもほぼ同じ意味です。
CF/CIF/CS/CFS:下部内視鏡検査
Colon Fiber
「下部内視鏡検査」のことです。
GF(上部内視鏡検査)と同様で、時代や医師によって様々な呼び名がありますが、どれも同じ意味です。
ちなみに所見などに「TCS」と表記される場合があり、これは「total colon fiber」ということで「回盲部までスコープが挿入された」という意味です。
若干ニュアンスが違いますので、覚えておくと良いかもです。
FOBT:便潜血反応検査
fecal occult blood test
便に血液が混ざっていないかを調べる検査です。
大腸がんは”便に血液が混ざる”ことがあるので、それを利用した検査です。
検出率が高く、”切れ痔”のようなものでも反応しますので”FOBT陽性”だからといって”即ガン”ではないです。
EUS:超音波内視鏡検査
Endoscopic UltraSonography
内視鏡スコープの先端に超音波探触子がついた超音波内視鏡専用スコープを使用して、がんなどの深達度を見る検査です。
ERCP:内視鏡的逆行性膵胆管造影法
Endscopic Retrograde CholangioPancreatography
胆道・膵臓の疾患に対して行われる造影検査のことです。
「ERC」や「ERP」の表記の場合は、「ERC」=胆管「ERP」=膵管 という意味になります。
MRCP:磁気共鳴胆道膵管造影法
Magnetic Resonance CholangioPancreatograohy
MRIを用いて非侵襲的に胆道・膵管を描写する検査方法です。
最近ではERCPの合併症のリスクから、低侵襲のMRCPで検査することが主流のようです。
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治療・手技
biopsy:生検検査
組織検査のことで、基本的には「生検鉗子」と呼ばれるデバイス(処置具)を使用して行われる、ごく一般的な手技。
ポリペク:内視鏡的ポリープ切除術
polypectomy
粘膜にできたポリープを、内視鏡下で切除する手技。
EMR:内視鏡的粘膜切除術
Endscopic Mucosal Resaction
粘膜を生食など(局注液)で持ち上げて、病変を切除する方法です。
ESD:内視鏡的粘膜下層剥離術
Endscopic Submucosal Dissection
早期がんに対して行われる手技で、EMRのように局注液で持ち上げて、病変を切開・剥離する方法です。
APC:アルゴンガスプラズマ凝固
Argon Plasma Coaglation
アルゴンガスを高周波電流でプラズマ化させ、組織を凝固させることです。
止血時などに使用されます。
EVL:内視鏡的静脈瘤結紮術
Endscopic Variceal Ligation
静脈瘤に対して、「Oリング」というゴムバンドで結紮して行う治療法です。
再発率は高めなので、場合によっては「EIS内視鏡的硬化療法」などと併用して行われる場合があります。(地固め法)
EIS:内視鏡的硬化療法
Endscopic Injection Sclerotherapy
静脈瘤に対して薬剤を使用して行われる治療法です。
薬剤としては、エトキシスクレロールなどが用いられます。
EST:内視鏡的乳頭括約筋切開術
Endscopic SphincteroTomy
膵胆管への処置の際、デバイスや胆石が通過できるようにパピロトミーナイフを用いてファータ乳頭を切開する手技のことです。
EPBD:内視鏡的乳頭バルーン拡張術
Endscopic Papillary Balloon Dilatation
EST(内視鏡的乳頭括約筋切開術)のときと同様の際に、EPBDバルーンを用いてファータ乳頭を拡張する手技のこと。
EBD/ERBD:内視鏡的逆行性胆管ドレナージ
Endscopic Billiary Drainage
胆管から乳頭部にかけて留置し、胆汁を十二指腸にドレナージする方法です。
古くは「ERBD」と呼ばれていましたが、最近では「EBD」というのが主流です。
一部の現場では「ERBD」と呼ぶこともあるので両方覚えておきましょう。
ENBD:内視鏡的経鼻胆管ドレナージ
Endscopic NasoBilliary Drainage
EBD(内視鏡的逆行性胆管ドレナージ)が、胆管に留置した先が十二指腸に出るのに対し、先を鼻から出し体外にドレナージする方法です。
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その他
NBI:狭帯域光観察
Narrow Band Imaging
特定の波長の光のみを使用して、表面構造や血管構造を観察しやすく強調表示する技術。
PEG:経皮内視鏡的胃瘻造設術
Percutaneous Endscopic Gastrostomy
内視鏡下で造設する胃ろうのことです。
廃れる技術との意見も一時期ありましたが、高齢者と介護の問題で増加している印象です。
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医療情報は検索してもヒットしづらい
病院では、部所問わず様々な医療用語・略語・英語(外国語)・独自語が飛び交いますよね。
事前に勉強していても、一度にすべてをカバーすることは不可能です。
とはいえ、調べてもなかなかお目当ての結果が返ってこないこともしばしば・・・
そこでその経験を生かして少しでも役に立てばと思い、作成しました。
まだ完成とは言えないので、随時更新・追加していく予定です!
もし「ここが足りない!」「ここ違うんじゃない?」という所があれば、コメントからぜひ教えてください!
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